はじめに
こんにちは、UGです。
1曲解説コーナーでお届けします。
今回はTMネットワークのSelf controlです。
いままで、YMO、BOOWYと紹介をしてきましたが、このTMネットワークも私自身、かなり影響を受けたユニットです。
というよりかは小室哲也に、と言った方がいいかもしれませんが。
小室哲也が、何かのインタヴューで、将来自分達が学校の音楽室のバッハなどに並んで肖像画になりたい、と言ってましたが、私の評価としては彼はそれに値する、希代のミュージシャンでありプロデューサーだと思います。
まさに50年に一度現れるかの天才だと思いますね。
TMネットワークの後も、ダウンタウンの浜田をプロデュースする際にジャングルのリズムを取り入れたり、TRFでトランスを取り入れたりと、実験的なことにも取り組みますが、いずれも世の中に受け入れられる作り方ができる能力を持っています。
とにかく音楽が大好きで、食事をとる暇があれば音楽をしたいとも話していました。
私は食べるのが大好きなので、そこまでにはなれないな、と思った記憶がありますが、とにかく音楽が大好きな人です。
さて今回の解説曲のSelf controlに話を戻しますが、リリースは1987年です。
あの一番有名なGet wildの一つ前のシングルになります。
TMネットワークのデビューは1984年です。
今となって聴くと初期の曲もものすごくクオリティが高いのですが、当時はあまり売れていませんでした。
このSelf controlはブレイクスルーするきっかけとなった曲でもあります。
曲自体はもちろんものすごくよいのでまた後程詳しく解説していきますが、売れる下地を作った出来事がありました。
それは1986年に作曲した渡辺みさとのMy revolutionです。
この曲は皆様知っていますよね、彼女のアーティストとしての代表曲でもあります。
実はこの曲TMネットワークが売れる前にできた曲なのです。
まだほぼ無名だったため、小室哲也って誰?とその曲のクオリティを聴いて話題になったそうです。
そしてその1年後にブレイクを迎えます。
Get wildもよい曲ですが、私はこのSelf conntrolの持つ今から売れてやるぞ!と気概の感じる疾走感あふれる雰囲気がとても大好きです。
このエピソードを聴くと小室哲也ほどの人物でも3年は不遇だったのだと、業界の厳しさを感じさせられます。
また当時はマスメディアのプロモーションが中心でしたので、それにのらないと厳しかったのだと思います。
その中でプロデュースという方法も駆使してブレイクしたのはすごいことだと思いますし、その後の彼の音楽業界における活躍、功績に繋がったのだと感じます。
曲の解説
この曲の基本的な構造はループ手法です。
イントロから始まるメインのフレーズがBメロと間奏以外は常に流れています。
このフレーズが強烈なインパクトを残しています。
ループさせる方法は古くはベートーヴェンが流行らせたと言われてます。
当時貴族のためにあった音楽を大衆にも普及させるために、キャッチーなメロディを反復させることによって覚えてもらいやすくするという方法です。
現代でいうとテクノミュージックやダンスミュージックには多用されますが、YMOにも影響を受けている小室哲也ならでは曲構成ですね。
また同じフレーズなのですが、場所によって音を変えたり、ボーカルに歌わせたりと変化をつけることでしつこく感じさせなくしています。
ベースラインは小室哲也にしては珍しくルート音を多用していますが、音価をあえて短くしていることで近未来的でありながら疾走感も出している絶妙なラインをついてます。
先ほども言いましたが、ブレイクスルーを感じさせるドライブはこのベースから生まれているでしょう。
Aメロの着目すべきはマイナーコードから始まることで、Aメロの段階ですでに曲の途中であるかのような緊張感を与えてくれています。
1番のAメロの2順目から音を厚くして、跳ねたギターが入ることによってまた躍動間もあります。
サビのセルフコントロール♪と言っている声も機械の声を使うことで、当時としてはかなりの斬新さをだしていたと思われます。
このサビのフレーズを聴いている方が歌いたくなる声質の設定がなんともうまいです。
間奏ですが、キーボードを前面に出して非常にメロディアスに作っています。ギターソロがないところも好きですね。キーボードが完全に主役になっています。
最後のサビの歌い方を若干変えたり、ドラムのフィルインを変えたりと芸が細かいですが、これも飽きない曲作りのポイントです。
さいごに
さて、いかがだったでしょうか。
TMネットワークは大好きなユニットなので、この曲以外も語りたいところですが、またにしたいと思います。
この曲に限らずブレイクスルーの曲というのは独特のオーラを持っています。
それがタイミングと重なってまた一つの歴史が始まります。
今まで私も100曲ほど作ってきましたが、いつか一曲でもこのような曲ができればどれだけ気持ちがいいかと思いますね。
このブログでは皆さまのお役に立てる情報を発信していきますので、よろしくお願いします。